2019.1.1

希望に満ちた日本に

    ―――将来を決めるのは国民の覚悟―――

                名古屋大学  客員教授

                            経済学博士  

 新しい時代の始まる年である。希望に溢れる日本を作っていきたいものである。

 世界には各種の混乱要因を抱えている国が多い。それぞれに要因は異なっても、いずこも深刻であり、簡単に解消できそうもない。特に大国や大きな地域の影響は大きく、世界経済は大きく長く下落すると考えられる。

 これまでのところ我が国は大きな影響を受けることなく切り抜けてきた。しかし世界の情勢が大きく変化し続けると、我が国からの輸出が減少するとともに海外での生産活動も見直す必要が出てくる。海外戦略の見直しを迫られる。

 その結果、国内の各分野へ影響が及ぶ。景気の下降が始まると加速する可能性がある。

 安倍政権は懸命に景気の下支えをするであろう。

 続けてきた異常な金融緩和策が引き続き踏襲されると思われる。その景気押し上げ効果はなくても、緩和策を止めた場合の景気への悪影響を恐れるからである。

 政府はなりふり構わず財政政策を利用するであろう。膨大な財政赤字を上乗せすることで景気の下支えをするものと思われる。

 結果として、ありがたいことに我が国の経済は大きな落ち込みにはならずに推移するものと考えられる。

 ただし、その代償は重大である。莫大な国の借金がさらに増え続け後世代に残されるからである。

 この借金に依存する流れを転換する必要がある。過酷な桎梏から逃れるためには国の借金を返済する以外にない。借金を作り続けた我々が方針を転換して実行に移さなければならない。

 それが現実の景気を大きく下降させることを認識したうえで、将来のために一大決心をする必要がある。

景気下降が長く続くとすれば、その準備を急がなければならない。それがまた景気を悪化させる。しかし、その先には再発展の希望が見えてくるはずである。明るい未来を目指す年にしたいものである。

 

---ISIDフェアネス・パーフェクトWebへの寄稿(2019.1.1)から---

 

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