借金の限界は年間売上の半分

     ―――金利負担を減らすには借金の削減を―――200691---水谷研治

  日銀がゼロ金利政策を転換し、金利が上がってきた。そのため支払金利が増え、負担が話題となっている。現実には利率の上げ幅は小さく、影響は僅かなものである。

  この程度の利率の上昇であれば大きな問題にはならない。ところが現在のように異常な低金利が何時までも続くと考えることは難しい。やがて正常な金利水準に戻れば、金利支払いの負担は現在とは様変わりになるはずである。

  異常な低金利が長年にわたり続いた結果、ともすれば金利に対し不感症になっているきらいがある。借金をしても僅かな金利の支払いで済むからである。ところが将来を考えれば、そのような安易な気持ちでいるわけにはいかない。

金利の支払いは、少なければ少ないほど好ましい。余分に金利を支払っても、何も得るものがないからである。それは単に過去において資金を借りたために支払わざるをえないだけのことである。

金利支払いの負担は利率と借金残高を掛け合わせたものである。借金の残高を見直す必要がある。

  金利の支払いは収入による以外にない。収入は何かの支出に当てることになっている。したがって金利支払分だけ支払うことができなくなる。それが大変なのである。

収入が乏しくなると、金利負担は一層厳しくのし掛かる。それは企業経営が悪化する場合である。収入が減り支出が減らないため資金が不足する。そのような危機的な状況では、金利が引上げられる可能性がある。すなわち将来的にはその時点での負担を考えておかねばならない。

  そのような事態を考えると、借入残高にはおのずから限界があることは明らかである。借入残高は年間売り上げの半分までにしておくべきであると筆者は考えている。業種によって差はあるものの、どれほど甘く考えても、年間の収入までが借金残高の限界と考えられる。

  現実には年間収入の15倍もの借金をしているところがある。我が国である。国家財政は危機的な事態になっているのである。

 

―――セイコーエプソンWeb 税務会計情報ネットTabisLandへの寄稿(2006.9.1)から―――

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